認知症になる前、母親は60代の終わりからうつ病になった。
兄夫婦と同居することになり、嫁姑問題が上手くいかなかったためだ。
同居しているのに、孤立していった。
私は家を出て一人暮らしをしていたが、毎月の通院を担当することになった。
会うと「生きていたくない」と言い出す。「何もかもが面倒で、辛くて、消えてしまいたい」
「お母さん、そんなこと言ったて、元気を出してよ」「おいしいお菓子でも食べようよ」と励ましても、「おまえには解らない。この辛さは解らない。」と言われてしまう。
「お前はうつ病じゃないから、この辛さは解らない。」
そんなこと言われたって、どうしようもない。そこで会話が止まる。
うつ病の人の励まし方は難しい。「頑張って」は、逆効果でプレッシャーになるという。
気丈だった母がこんなに弱くなってしまった…. 娘としてショックで、私も動揺していた。
何もかもが億劫で、面倒くさく感じられて、生きていたくない。ふっと消えるように、いなくなってしまいたい。生きているのが楽しくない。日々の感動がない。感謝がない。そんな状態になったら、どうなってしまうのだろう。食べることも楽しくない。誰かとおしゃべりすることも楽しくない。きれいな夕焼けを眺めても、心が動かない。それって辛すぎる。
お母さん、辛いんだね。大変なんだね。と共感してあげる。いままで我慢して大変だったね。頑張ったんだね。そう言って、ただ一緒にいてあげるしかないのかもしれない。
私の場合、お母さん、何言っているのよ!っていう気持ちが出ていたかもしれない。なんでそんなこと言っているのよ!と心の中では責めていたかもしれない。
「もう生きていたくない」と言われた時、とにかく落ち着かせて、気を紛らわせてあげて、その気持ちが過ぎ去るのを待つしかないのかもしれない。今になって振り返れば。
だから、仕事が忙しかったりして、精神的に余裕のない時は、「じゃあ、勝手にすれば」とか思ってしまうから、言ってしまうかもしれないから、怖い。まず、こちら側の体調とメンタルを整えなければ、乗り切れない。


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